まち歩きで、まちづくりを知る。
TOKYU WALK
渋 谷
GUIDE
浜本 理恵
渋谷開発事業部
開発計画グループ
まちづくり推進担当
課長補佐
2010年入社
世界に誇るターミナル拠点であり、鮮度の高い情報とコンテンツを世の中に届け続けてきた流行の発信地でもある渋谷。その渋谷をさらに魅力的に生まれ変わらせるため、駅前を中心に「100年に一度」といわれる再開発が進行中。「エンタテイメントシティSHIBUYA」をコンセプトに、「日本一訪れたい街」を生み出そうとしています。
※社員の所属や掲載内容は取材当時のものです
エンタテイメント
シティ
SHIBUYA
交流編
見どころ01
「いつ行っても何度行っても、何か楽しいコトがある街。いつでもだれでも、何か楽しいコトをおこせる街」。それが東急株式会社のつくりたい、新しい渋谷です。娯楽だけではなく、ビジネスや文化、おもてなしも含めた「エンタテイメントシティSHIBUYA」を、どう具現化しているか。まずは、新しい流行やカルチャー、ビジネスを生み出す源泉である“人の交流”に着目した仕掛けからご紹介します。
共創施設 SHIBUYA QWS
渋谷スクランブルスクエア:SHIBUYA QWS
渋谷スクランブルスクエア15階の「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」は、会員制の共創施設。いわゆるシェアオフィスとは違い、異分野とのセッションを促す仕組みがあちこちに盛り込まれています。写真の「クロスパーク」もそのひとつ。あえてゆるやかに設定した空間が、オープンな交流を育みます。
渋谷スクランブルスクエア:SHIBUYA QWS
「プロジェクトベース」でデスクワークをする会員は、社会に対する問いかけや、自分が取り組んでいるプロジェクトをプレートに書き込み、デスクの上に立てておきます。お互いに刺激を受けたり、交流を生むためのきっかけづくりです。
渋谷スクランブルスクエア:SHIBUYA QWS
会員の「問いかけ」を貼り出したギャラリー。世の中への素朴な疑問、社会課題解決のためのヒントなど、思い思いの問いが投げかけられています。それが誰かのインスピレーションになったり、新しいコラボレーションのもとになったり。
渋谷スクランブルスクエア:SHIBUYA QWS
SHIBUYA QWSのディレクター、野村さん。着ている白衣のような服は、スタッフのコスチューム。異分野交流からイノベーションを生み出す「ラボ」のイメージです。施設は会員制ですが、イベントは一般参加可能なものもありますよ。
屋外広場
渋谷ストリーム:広場
渋谷ストリームの広場では、音楽ライブ、マルシェ、企業プロモーション、地域交流等のイベントを行っています。「渋谷で働く人や周辺で暮らす方々の感度を刺激し、暮らしが豊かになること」をコンセプトに定期的に開催している渋南マーケットでは、ハンドメイド雑貨や食器などのアイテムが素敵な空間を創ります。
渋谷キャスト:広場
渋谷キャストでは、行き交う人も刺激を受けられるように広場や多目的スペースを設け、イベントなどに活用しています。こちらは、毎年恒例の「WINTER CAST.」の一コマ。約20メートルという長〜いコタツで、思い思いに過ごしていただきました。
フリーウォールスペース
MAGNET by SHIBUYA109:ASIATO
スクランブル交差点に面した「MAGNET by SHIBUYA109」。その屋上にある「ASIATO」は、床にも壁にも、誰でも自由にラクガキできる屋内展望台。ラクガキを通じてインスピレーションを与え合う、交流の場ともいえますね。
MAGNET by SHIBUYA109:ASIATO
私も描いてみました。なんだかわかりますか?
(東急線キャラクターの「のるるん」です)
クリエイティブスペース8/(はち)
渋谷ヒカリエ8階「Creative Space 8/」。かつてここにあった「渋谷東急文化会館」のDNAを受け継ぎ、渋谷らしく現象を生み出すために、さまざまなメンバーが交流とクリエイションを行なっています。
インバウンド向け施設
渋谷駅構内の外国人旅行者向けの観光案内所。ガイドサービスや地域PRを展開する「Huber.」をパートナーに、オンラインだけで解決できない旅の悩みを個性溢れるスタッフたちが解決します。イベントスペースとしても活用でき、旅行者の満足度を高めています。
情報発信
渋谷ヒカリエ:スカイロビー
レゴで再現された1/300スケールの模型を活用した、小学生向けのワークショップを、東急株式会社も参画している渋谷駅前エリアマネジメント協議会が開催。さまざまな人に渋谷と関わってもらえるよう、こうした取り組みにも積極的です。
渋谷ヒカリエ:スカイロビー
なんと、地下も再現されています。変わり続ける渋谷に合わせて、ジオラマも更新されていく予定。ちなみに、この写真にある「東口地下広場」はのちほど登場します。ぜひ実物と見比べてみてくださいね。
エンタテイメント
シティ
SHIBUYA
課題解決編
見どころ02
渋谷は、いくつもの課題も抱えています。各社が大正時代から移設や増改築を繰り返したため、駅施設の動線が複雑化していること。その名の通り谷地形になっていて、水害に弱いこと。歩行者のための滞留空間が不足していること……社会基盤からまちを考えるのも東急株式会社らしさ。官民一体で挑む課題解決の一例として、東口地下広場を始めとするいくつかの取り組みをご紹介します。
動線の改良
渋谷ストリーム:アーバン・コア
アーバン・コアは高低差の激しい渋谷に、縦方向の動線を生み出すために開発された空間です。回遊性を高めるため、渋谷ストリームのほかあちこちに設置されています。どこに位置しているかわかりやすいよう施設に合わせた特徴がありますので、ぜひ見比べてみてください。
渋谷ヒカリエ:自由通路
2階の自由通路は、駅周辺に新しい動線を生み出しました。収益だけを追いかけるなら、通路ではなくテナント用のスペースにする手もあります。あえてそれを選ばず、まちの魅力を高める取り組みを行なっているところが東急株式会社らしさ。
渋谷ストリーム:渋谷川
ビルの谷間に隠れていた渋谷川を、官民連携のもとに再生しました。清流復活水を活用した「壁泉」によって水流を復活。川沿いには遊歩道を整備し、駅周辺では希少な潤いの水辺空間として代官山方面までつながるストリート空間を創出しています。
案内サイン
渋谷駅のあちこちで見かけるサイン。東急線以外の路線も、デザインが共通化されていることにお気づきでしょうか。これも、動線のわかりにくさを少しでも軽減するための取り組み。ビル事業者や鉄道各社の協力を得て実現しました。
滞留空間の創出
渋谷駅東口地下広場
JR東日本、東京メトロ、東急電鉄など、さまざまな路線の駅を結ぶ空間。歩行者ネットワークの要として、利便性・快適性を高めるための整備を行いました。天井が一段下がっている部分には、実は旧渋谷川が流れています。
東口地下広場:UPLIGHT CAFE
駅を利用するお客さまが居心地よく過ごせる憩いの場としてオープンした「UPLIGHT CAFE」。有名シェフ監修のメニューでゆったりくつろげることはもちろん、渋谷のヒト・コト・モノにスポットを当てたカルチャー情報の発信や、観光案内の機能も持っていきます。(私のおすすめはサクサクのシュークリームです!)
利便性の向上
SHIBUYA Wi-Wi-FI
よくある「建物ごと」「施設ごと」のWi-Fiではなく、一度ログインすれば、渋谷駅周辺のさまざまなエリアで再ログインすることなく使い続けられます。さらに災害時には登録も不要。すべての方が使用できる通信インフラとして開放されます。世界のみなさんに「つながる楽しさ」を提供する、渋谷らしいWi-Fiです。
災害対策
地下貯留槽(東口地下)
東口地下広場の下に位置する地下貯留槽。大雨の際には約4,000トンもの雨水を一時的に貯めておくことができます。ゲリラ豪雨が増えている今、渋谷という谷の底にある駅の安全と安心を守るための重要な設備です。
オフィスの増加
渋谷スクランブルスクエア:オフィスエントランス
ご存知でしたか? 渋谷スクランブルスクエアは、じつは商業施設(営業面積約72,000㎡)より、オフィススペース(貸床面積約73,000㎡)のほうが広いんです。渋谷のオフィス不足を解消し、国内外からの集客によってイノベーションの発信地になろうとしています。
ゴミ対策
SHIBUYA タピオカMAP
SHIBUYA109プロデュース、無料配布のタピオカMAP。おいしいお店がパッとわかる、だけじゃありません。掲載されているお店で買えば、飲んだ後のゴミをほかのどのお店で捨ててもOK。心地よく過ごせる渋谷を守るためのアイデアです。
エンタテイメント
シティ
SHIBUYA
渋谷らしさ編
見どころ03
東急株式会社にとって、建物を建てることだけがまちづくりではありません。都市の賑わいをつくる。新しいムーブメントを生み出す。ここにしかない歴史をしっかりと次世代につなぐ。渋谷の「らしさ」と、東急株式会社の「らしさ」が詰まった工夫の数々も、ぜひ見落とさないでください。
エンタテイメント
MAGNET by SHIBUYA109:CROSSING VIEW
渋谷といえばスクランブル交差点。それを真下に一望できるスポットが、「MAGNET by SHIBUYA109」にある屋上展望台「CROSSING VIEW」です。ダイナミックな記念写真を撮ることができるので、外国からのお客様にも非常に人気です。
渋谷スクランブルスクエア:SHIBUYA SKY
渋谷の街はもちろん、晴れた日には富士山まで見える地上229メートルのSHIBUYA SKY。景色を楽しめるだけではなく、ハンモックやギャラリーなど、知的好奇心を刺激し、想像力を掻き立てる体験がいくつも用意されています。
渋谷ヒカリエ:スカイロビー
さまざまな施設へのエントランスでもある、11階のスカイロビー。地上約60メートルから渋谷の眺望を楽しむことができます。渋谷スクランブルスクエアなど、東急株式会社が手がける施設の位置関係もよくわかりますよ。
渋谷ヒカリエ:東急シアターオーブ
エンタテイメントの代表格ともいえるミュージカル。「東急シアターオーブ」では、観劇を心ゆくまでお楽しみいただけるよう、座席の勾配やステージとの距離を計算し尽くしています。こうしたエンタメ・文化施設の集積も、東急株式会社の戦略といえます。
ムーブメント発信
渋谷駅東口地下広場:@cosme POWDER ROOM
渋谷区と連携して設置した、アットコスメが監修する「@cosme POWDER ROOM」。鏡の下にあるボックス内にはコスメのテスターが用意されていて、専用アプリがあれば無料で試すことができます。こんなところでも、しっかり情報発信中。
記憶をつなぐ
渋谷ストリーム:かまぼこ屋根
歩行者デッキを覆う、特徴的な形の屋根。東急東横線旧渋谷駅の駅舎にあった「かまぼこ屋根」をモチーフにしています。渋谷に慣れ親しんだお客さまには、特に好評なデザインです。
渋谷ストリーム:ストリームライン
歩行者しか通れないはずのデッキに、なぜか線路が。これは、旧東急東横線の軌道をイメージして本物のレールを埋め込んだ「ストリームライン」。かつてこの場所にあった高架柱の管理番号も記されています。
渋谷ストリーム:大階段
道ゆく人の目を楽しませるLED演出。施設名(ストリーム)の由来にもなった渋谷川や、旧東横線線路跡地のゆるやかにカーブしたストリートなど、多様な「流れ」を表現しています。
渋谷リバーストリート
渋谷川沿いに代官山方面へと伸びる渋谷リバーストリート。ここにも、旧東急東横線の記憶をつなぐモニュメントがあります。鉄道事業を基盤として、渋谷の歴史をつくってきた私たちだからこそ、大切にしたい記憶です。
登場した
主な施設
渋谷スクランブルスクエア
2019年11月に第I期(東棟)が開業した、地上47階建・高さ約230メートルの新しいランドマーク。開業から3ヶ月で来館者数600万人を突破。2027年度には、第II期(中央棟・西棟)が開業予定。
渋谷ストリーム
新たな時代の流れを生み出し続ける「クリエイティブワーカーの聖地」。オフィスやホテル、商業ゾーン、イベントホールなどを内包し、仕事と遊びの境界がない、渋谷らしいワークスタイルを支援。
渋谷ヒカリエ
渋谷駅周辺開発のリーディングプロジェクトとして、2012年開業。「新たな価値を創造、発信していくプラットフォーム」をめざし、オフィス、商業、文化施設など、多様な機能を併せ持っている。
渋谷ブリッジ
遊歩道「渋谷リバーストリート」の先に、駅前とは異なる魅力を創出するために整備された複合施設。多世代・異文化の「橋渡し」と、渋谷と代官山の「橋渡し」への願いが込められている。
MAGNET by SHIBUYA109
「シブヤのシゲキ。」をコンセプトに“シブヤメシ”を楽しめる飲食フロアや、展望台「CROSSING VIEW」をはじめ、国内外の若者に向けてさまざまなカルチャーを発信している。
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