若手社員のチャレンジトーク

若手を、
未来の始まりへ。

YOUNG STAFF
CHALLENGE TALK
若手社員のチャレンジトーク

年次に関係なく挑戦できる。大きな裁量がある。事業が広がる中で、若手社員の活躍の舞台も広がり続けている東急。若手社員が実際に手がけているプロジェクトを通じて、その様子をご紹介します。

PROFILE

片山 幹健

阿部 彩水 Ayami Abe
2019年入社
プロジェクト開発事業部
開発第一グループ
創造理工学部 社会環境工学科

多田 仁美

馬場 航 Wataru Baba
2020年入社
東急電鉄(株) 鉄道事業本部
工務部施設保全課 構造技術センター 技士
創造理工学研究科 建設工学専攻

武居 隼人

遠藤 夏帆 Kaho Endou
2021年入社
沿線生活創造事業部
ウェルネス事業推進グループ
社会科学部 社会科学科

プロジェクトトーク

PROJECT TALK

PROJECT 01

地域とつながる
東急らしさを、
カフェにそそぐ。

コミュニティカフェ
阿部 彩水

阿部さんが手がけている「PARK COFFEE」について教えてください。

大井町駅のすぐ近くにあるコミュニティカフェです。私がプロジェクトマネージャーを務め、コンセプトからつくりあげました。10坪くらいのこぢんまりとしたカフェですが、イベントスペースがあって、地域のみなさんにご活用いただいています。

なぜ東急がカフェを?

きっかけは、「品川区に事務所をつくろう」というアイデアでした。品川駅へのリニア開通や羽田空港と直結する羽田アクセス線構想等、品川区は東急にとって、これまで以上に重要なエリアになっていく。それを地域のみなさんにも伝わる形で示すために、まず事務所を大井町につくることが決まりました。ただ、地域との交流を生み出すうえで、事務所だけでは物足りない。そこで「同じ建物の1階をカフェにしたらどうか」という話が持ち上がったんです。

コンセプトづくりはどう進めたんですか?

まず、いろんなカフェを知ることから始めました。東急が運営している池上やたまプラーザのカフェも見に行きましたし、大井町もずいぶん歩きました。その中で気づいたのは、街の「らしさ」が、カフェのコンセプトに大きく影響すること。じゃあ、大井町の「らしさ」ってなんだろう、と。地域のみなさんと話をしてみると、イベントを催したり、ワークショップを開いたり、いろいろな活動をしていらっしゃる方が多い。でも、駅のまわりには集まれる場所が少ない。それなら、カフェの一角にイベントスペースを設けるのはどうだろう。そんなふうにイメージを膨らませていきました。

若手社員のチャレンジトーク
若手社員のチャレンジトーク

プロジェクトを通して、特に大変だったポイントは?

初めてのことなので苦労だらけでした(笑)。ひとつ挙げるなら、決められた予算とスケジュールでどうやりくりするか。街づくりとしては小さなプロジェクトですが、それでもこんなに大変なのか、と。カフェでいえば「特徴のある内装にしたい」「でも、予算に余裕はない」という板挟み。頭を抱えている私を見て、手を差し伸べてくれたのは別の部署の先輩でした。「電車の廃材でよければ、あげられるものがあるよ」と。

電車の廃材利用。それは特徴的ですね。

そうなんです。さっそく内装のデザイナーさんと車両工場に行って、いろいろ譲ってもらいました。たとえばカフェのベンチには、電車のロングシートからいろんな部品を流用しています。

イベントスペースは最初から軌道に乗ったんですか?

スペースを設けても、稼働させなければ意味がありません。地域とのつながりを活かして、イベントを開いていただけそうな方々に声をかけました。そういう人脈を持つスタートアップ企業にも協力を仰ぎましたが、丸ごと委託することはしませんでした。「地域のコミュニティをつくる」というコンセプトに共感できる方に使っていただきたかったですし、そのためには、私自身の言葉できちんとご説明するべきだと思ったからです。手間はかかりましたが、味方になってくださる方が次々に手を挙げてくださって、すごく心強かったです。

「地域とつながる」というカフェの目的を果たせましたね。

まだまだ発展途上です。でもありがたいことに、地域のみなさんから声をかけられる機会はすごく増えました。「こういうイベントをやってみたいんだけど、できる人を知らない?」という相談もあれば、「バーベキューやるから来たら?」というお誘いも(笑)。ちょっとしたことでも気軽に話していただける、フラットな関係性がつくれたのは本当にうれしいですね。

この経験を通じて、どんな気づきを得られましたか?

東急は「街に根づこう」という思いが本当に大きい会社なんだな、と。ふつうのデベロッパーなら、わざわざカフェをつくろうとは考えないんじゃないかと思います。オープン1周年のパーティでは、カフェからあふれるくらい、地域のみなさんがたくさん集まってくださいました。東急が大切にしていることが可視化されたような、とてもいい光景でしたね。

若手社員のチャレンジトーク

PROJECT 02

数多くの工事に
鍛えられ、
新技術の導入に
挑む。

新たな鉄道土木施設
保守管理技術の導入
馬場 航

馬場さんの仕事は、鉄道土木施設の維持管理。ドローンの試験導入にも携わっているそうですね。

鉄道の施設には、「人の目と耳による検査が必要なのに、それがやりにくい場所」がいくつもあります。たとえば、駅の天井裏やホーム下、高架橋と建物の間などの狭い箇所です。現在の検査においては、人の目と耳で異状がないかを確認しており、狭い場所であっても無理な体勢で人が入って検査をおこなっているため、どうしても検査しにくい箇所が出てきてしまいます。こうした課題解決のために、機動性が高くて狭い場所にも進入できるドローンの導入を検討しています。

具体的には、どのような検討をしているのですか?

ドローンに搭載したカメラで撮影した画像をもとに構造物の劣化状況がしっかりと検出できているか、また、検査業務の一部を代替することができないか検討しています。

導入における問題点は何ですか?

人の目と耳による検査と同じように検出できていれば、まずは及第点。導入コストなどの問題はまだまだたくさんありますが、連続的かつ鮮明な画像データで細部が確認しやすい、通常の検査では死角となりやすいところまで確認が可能になる、といった利点があり、安全性のさらなる向上が望めます。現在はそれらを期待しながら日々検討に取り組んでいるところです。

鉄道は、安心・安全が第一。新しい技術の導入には消極的だというイメージもあるようです。

「東急はそうじゃない」と、今日は言いにきました(笑)。安全が第一なのはその通りですが、だからこそ、もっと安全にするために新技術の導入を積極的に進めています。「鉄道版インフラドクター」は、その好例。もともと道路用に開発された維持管理システムですが、大手民鉄では初めて、東急が鉄道で導入しました。

若手社員のチャレンジトーク
若手社員のチャレンジトーク

ということは、ドローン以外にも新技術の導入が検討されているんですね。

はい。私がメインで関わっているものでは、架道橋へのセンサーとカメラの設置もそうですね。架道橋、つまり道路の上に架かっている鉄道橋のことですが、背の高いトラックなどがくぐろうとしてぶつかってしまうことがあります。ところが、現場確認のために大急ぎで駆けつけてみると、じつは大したことがなかったというケースも珍しくない。そこで、どんな車がどこにぶつかったのか、橋にダメージがあるのかどうか、事務所にいながらカメラを遠隔操作して状況を確認することで一次判断できるようなシステムを検討しています。ほかにも、いくつものプロジェクトが動いています。

馬場さんのような若手に裁量があるのも、東急らしさでしょうか。

はい、そう思います。ただし、ドローンのような新技術の導入は、私1人で進められるわけではありません。裁量の大きさについてなら、日々の鉄道の安全・安定輸送を支える補修工事や改修工事のほうが伝わりやすいかもしれませんね。構造物の劣化や不具合を解消するために行う工事のことですが、そのための調査、計画の立案、協力企業の選定と発注、社内外の関係者との調整、施工管理、竣工まで、すべてを任されています。工種・予算規模ともに多岐にわたる数多くの工事について、計画から竣工までの一連の流れを丸ごと任せてもらっているのは非常にやりがいがあります。

そのような数多くの工事を若手に任せるのは、どんな狙いがあってのことでしょうか。

個人的な想像ですが、鉄道の根幹である安全を確保するうえで必要な実践的な知識と技術力をしっかりを身につけさせるためかな、と。新技術の導入を手がけるにしても、まず補修や改修のことをよく知っている必要があります。そうでなければ、いいか悪いかの判断がつかない。それを見越したうえで、いまの仕事を任せてくれているんだと思います。任される側としても、いい経験ができて成長は早くなるし、やりがいも大きくなるし、いいことだらけです(笑)。

若手社員のチャレンジトーク

PROJECT 03

官民連携
プロジェクトを、
入社2年目で
マネジメント。

Kids VALLEY
〜未来の学びプロジェクト〜
遠藤 夏帆

遠藤さんが手がける「Kids VALLEY」について教えてください。

東急と渋谷の大手IT4社(※)、それに渋谷区教育委員会が協働して、子どもたちへのプログラミング教育を支援する官民連携プロジェクトです。渋谷区立の全小中学校を中心に、IT各社のエンジニアが子どもたちにプログラミングを指導したり、ワークショップやイベントを開催したり、世界で活躍できる人材の育成を目指しています。
※サイバーエージェント、DeNA、GMOインターネットグループ、MIXI

プロジェクトの中で、東急はどんな役目を果たしていますか?

街づくりで培ってきたリレーションを活かし、ハブ役としてプロジェクト全体を取りまとめています。私の役割もプロジェクトマネージャー。学校、行政、IT各社と関係者が多く、それぞれに立場や方針も異なる中で、プロジェクトを発展させるために奮闘中です(笑)。

方針の違いとは?

IT各社を例に挙げると、「渋谷に貢献したい」「不足しているデジタル人材の育成を支援したい」という思いの熱さは共通しているんです。ただ、この取り組みをどのように進化・発展させていくのかといった将来像は、統一されたものがない。そのあたりは私が間に入りながら、各々が想い描く姿を形にしていきたい部分ですね。

東急としては、どう発展させたいと考えているんでしょうか。

もともと渋谷区は、生徒1人1台のタブレット導入を全国に先駆けて実現するなど、ICT教育について非常に先進的。もちろん東急にとっても大切な街ですし、これまでにない官民連携モデルを渋谷で確立したいという思いは強く持っています。一方で、東急線沿線の価値をさらに高めるためには、ほかの地域への拡大も視野に入れたい。子育て世帯に安心して定着していただくうえで、教育サービスの充実は欠かせませんから。このあたりも、いずれは行政やIT各社と連携しながら、少しずつでも取り組んでいきたいと思っています。

若手社員のチャレンジトーク
若手社員のチャレンジトーク

遠藤さんは、このプロジェクトにどんな経緯で加わったのですか。

プロジェクトが立ち上がって1年ちょっとくらいで、普通に新入社員として配属されました(笑)。こんな仕事があるのかと、びっくりしましたね。事業の幅が広いことはわかっていましたが、東急とプログラミング教育のイメージがなかなか重ならなくて(笑)。それに私は、超がつくくらいの文系です。中学校のプログラミング授業を見学したら、用語がひとつもわからないんです。あわてて東急の自己啓発支援に申し込んで、プログラミングのオンライン講習を受けました。

新人プロジェクトマネージャーとして、ほかにどんなことを心がけましたか?

関係性ができていないと、プロジェクトは動かせない。まずは参画している行政や企業とコミュニケーションをしっかり取りつつ、行動で認められなければと思いました。とはいえ、不慣れなのでミスをしたり、効率よく動けなかった部分もたくさんあったと思います。それでも、がんばっていることは伝わったようで、「いつも動いてくれてありがとう」や「できることがあれば協力するよ」という言葉をかけていただけるようになりました。対等……までは言い過ぎかもしれませんが、それに近い関係性は築けたのかなと思っています。

いま取り組んでいること、これから取り組みたいことを教えてください。

「プロジェクト型学習」を2022年から取り入れました。子どもたちが一方的に教えられるのではなく、プログラミングによる課題解決を主体的に考えていく形の授業です。これからの教育に求められるスタイルだといわれていますが、教育現場の多忙もあって、なかなか着手が進んでいない。そういった新しいノウハウを「Kids VALLEY」が開拓して、提供していけたらと考えています。また、これから取り組むべきこととして、チームで話しているのはブランディングの推進。渋谷に住んでいるのに「Kids VALLEY」を知らない方もまだまだ多くて、少しもったいない。積極的に周知して、プログラミング教育全体を盛り上げることにつなげられたらうれしいですね。

若手社員のチャレンジトーク

社風トーク

COMPANY CULTURE TALK

COMPANY CULTURE

人間関係が、
挑戦を
支えている。

最後に、みなさんにお聞きします。それぞれのプロジェクトを進めるうえで、支えになっている東急の社風について教えてください。

人柄のよさが大きいと思います。新人で、いきなりプロジェクトを任されて……というと、まるで放り出されたみたいな印象になるかもしれませんが(笑)、実際にはそういう感覚はまったくなくて。ずっと先輩や上司に支えられてきました。

この表現がベストかどうかは迷いますが、「ファミリー感」がある会社ですよね。面倒見がいいし、味方になってくれる。同じ部署はもちろん、ちがう部署の先輩にもしっかり支えてもらえます。タテやヨコだけではなくて、ナナメの人間関係もいいんです。だからこそ、「これ、やってみて」と任された時に、負担に感じることがない。頼れる人がいるから、安心して挑戦できます。

阿部さんの話を聞いて、入社直後のことを思い出しました。私の不安に気づいたのか、隣の部署の先輩たちが、たくさん声をかけてくれたんです。仕事のことだけを考えたら、必要のないコミュニケーションだったはずなのに。「人が好きな人の多い会社」。そんな印象を持ちました。

鉄道事業は、じつは総合職の社員がとても少ないんです。専門職が大半を占めていて、その中に僕たち総合職が数名だけ混じっているイメージ。でも、その間に垣根はまったくありません。直属かそうでないかに関わらず、先輩たちが本当にしっかり見てくれる。まさに阿部さんのいう「ナナメの関係」が充実しているなと思いますね。

若手社員のチャレンジトーク

意見もすごく尊重してもらえますよね。

遠藤さんもそうだと思うんですが、前例も正解もないことに挑む時には、プロジェクトを進める本人の意志がとても大切。上司や先輩から「担当としての想い」を確認されることがとても多くて、プロジェクトの主体として認められていることを感じます。

僕も先輩たちからは「自分の考えを持って、どんどん発信するように」と言われています。それに、面白そうな取り組みを見つけたら、手を挙げれば「ぜひやってみて!」と背中を押される環境でもある。まだまだ先輩たちの力を借りながらではありますが、自分で方針を立てながら仕事を進めることができて、モチベーションも維持しやすい。

事業領域の幅広さが東急の魅力だと思いますし、いずれは私も、これまでとはちがう舞台で挑戦してみたいと思っています。その時にもきっと、人間関係のよさが支えになってくれるんじゃないかと期待しています。

若手社員のチャレンジトーク