PROJECT
TOKYU
MUSiX
CHALLENGE
五十嵐 友莉花Yurika Igarashi
沿線生活創造事業部
エンターテインメント事業推進グループ 企画担当
2014年入社
東急ストアでの店舗運営や渋谷ヒカリエの文化用途担当を経て現職。「Tokyu Musix Challenge」においては、企画から実行に至るすべてのフェーズを主導した。
寄本 健Ken Yorimoto
沿線生活創造事業部
エンターテインメント事業推進グループ 課長
1999年入社
ホテル、鉄道、新規事業、街づくりなどを経験したのち、現部署の発足と同時に課長に就任。東急メディア・コミュニケーションズや東急文化村の要職も兼務している。
コロナ禍のエンタメに、
東急だからできること。
エンターテインメント事業推進グループの発足は2019年。これまでの事業とは毛色が違うように見えますが、本質は同じだと課長の寄本は言います。「東急の事業はすべて、沿線の生活を豊かにするためにあります。エンタメも豊かな生活には欠かせないもの。その意味では、ごく自然な成り行きなんです」。
『Musix』のきっかけは、コロナ禍によるエンタメ業界の苦境でした。都市生活者がエンタメに触れる機会を奪われ、アーティストが経済的な打撃を受ける中、ホールやシアターなどの場を持つ東急だからこそできることはないか。その企画立案を担当したのが五十嵐です。「渋谷らしさを大切にしたいと思いました。渋谷といえば、さまざまな文化が交差してクリエイションを生み出す街。そこから“ジャンルを超えて混ざり合う音楽を楽しむ”というテーマが生まれ、MusicとMixを掛け合わせた『Musix』がネーミングになりました」。
Tokyu Musix Challenge
東急が用意する“ステージ”
(Bunkamura オーチャードホール)
多様なアーティストが交わる
“渋谷”らしい音楽
(CLASSIC×POPS)
新参者としてのスタート。
しかし、事は簡単には進みません。「なぜ東急が?」。それが、協力を仰いだ音楽業界からのリアクション。興行において東急は新参者であるだけに、危ぶむような視線も感じたと五十嵐は言います。「『なぜ?』と尋ねられるたびに、あれこれと説明はしました。でも、最後には気持ちをぶつけていくしかなかった。東急は本当にこれをやりたいんだ、やらなきゃいけないと思っているんだ、と」。それが通じたのか、協力者や参加アーティストは順調に増えていきました。
一方で、新型コロナをめぐる状況はまったく改善を見せませんでした。緊急事態宣言。そして、2度の開催延期。そのたびに費用もかさんでいきます。今後のためにもこの企画を事業として成り立たせたかった寄本たちは、ギリギリの決断を迫られました。「無観客開催しかない」と。「収益を考えれば痛い。でも、やらないという選択肢はありませんでした。やめれば、コロナ禍のエンタメをなんとかしたいというコンセプトそのものが消えてしまう」。
エンターテインメントを、
新しい柱に。
2021年5月7日。Bunkamuraオーチャードホールでついに開催された『Tokyu Musix Challenge』は、有料ライブストリーミングで配信され、好評を得ることができました。しかし、これで終わりではありません。『Musix=Music × Mix』という考え方は、さらに広い可能性を秘めていると五十嵐は考えています。「今回は音楽と音楽の融合でしたが、たとえば音楽とダンスや音楽と食でもいい。さまざまな融合を、東急が持つあちこちの場をつないでフェス的に楽しんでいただく構想もじつはあったんです。興行という形にさえ、捉われなくてもいいのかもしれません」。
寄本もまた、さまざまな可能性を追いかけています。「エンタメを新しい収益の柱に育てる、という方針はある。けれど、何を柱としてそれを実現していくのかは決まっていません。音楽はもちろん可能性のひとつだし、ほかにもアートやスポーツなど色々な可能性があるかもしれない。従来のコア事業のように枠組みがないのが難しいところ。でも、それを面白がってやっていきたいですね」。