まち歩きで、まちづくりを知る。
TOKYU WALK
南町田
グランベリー
パーク
GUIDE
島崎 桜
開発事業部
南町田開発グループ
商業計画担当
2017年入社
東急株式会社と町田市による、駅と商業施設・公園が一体となった新たなまち。241店舗(2020年2月現在)を擁する商業施設と、生まれ変わった鶴間公園、さらにその2つをつなぎ、スヌーピーミュージアムや交流施設のあるパークライフ・サイトなどからなる。対象エリアに駅を含む事例としては国内で初めて、国際的な環境認証制度「LEED ND(まちづくり部門)」でゴールド予備認証を取得。2019年11月にまちびらきし、商業施設は2週間を待たずして、来館者数100万人を突破しました。
※社員の所属や掲載内容は取材当時のものです
自然と
賑わいの融合
見どころ01
駅と商業施設、公園がシームレスに繋がり、まち全体がまるでひとつの「パーク(公園)」のような南町田グランベリーパーク。「この場所でしか体験できない」「この場所に行きたい、何度でも行きたい」と思っていただけるよう、駅や14の屋外広場空間では、居心地の良さやわくわくが感じられる「自然と賑わいを融合」した環境演出にこだわっています。
南町田グランベリーパーク駅
駅と一体的に開発できるのが東急株式会社らしさ。ホームでお出迎えしてくれるスヌーピーの背後には、なんと滝が! 大階段ではLEDによるビジュアル演出が行われており、この地域に生息するカワセミも映像にときどき登場。電車を降りた瞬間から「自然と賑わい」を感じられます。
このカラフルなベンチもグランベリーパークの世界観をイメージしています。しなやかな素材でできているため、座り心地がいいですよ。
ウェルカムプラザ
駅から訪れたお客さまを、まずお迎えする場所がウェルカムプラザ。 建物の壁面が緑化されているのがおわかりでしょうか。こういった部分にも、「自然」を意識したこだわりが息づいています。
駅前空間の開発を手がけた、先輩の秋山さん。景観と視線の抜け方を意識して、配棟計画、緑化のデザイン、サイン(標識)の位置など細部まで決定。開発に携わった社員はみんな、こだわった「愛着の場所」を持っています。
パークプラザ
いつもとは違う角度から公園を眺めることができる丘の広場。この先にある公園と芝生でひと続きになっている、グランベリーパークを象徴する場所のひとつです。丘の麓ではシーズンごとにイベントが開かれ、多くの人で賑わいます。
人が立ち入れない場所には、注意書きを立てるのではなく花を植えることでさりげなくわかるようにしています。人の誘導にも緑を活用することで、優しい雰囲気づくりを行っています。
天気の良い日には、丹沢の山並みや富士山が見え、まるでリゾート地に来たような美しい自然の風景に癒されます。特に映えるのは夕方。SNSにアップされているパークプラザの写真も、夕日を写したものが多いです。
ギャザリングマーケット
食が集まり、人が集まるをコンセプトとした海外のマーケットを思わせる空間。イートインコーナーが充実しているので、さまざまなグルメのお店の人気商品をその場ですぐに食べることができます! リーシング担当の瀧本さんは、全国を飛び回ってコンセプトに合ったお店を誘致しました。
シアタープラザ
音楽・映像とコラボした炎の演出が楽しめる広場です。日本国内の商業施設としては初めて、リアルな炎が出る環境演出装置を導入しています。1日5回、3分間のショーはまるでテーマパークに来たようなわくわく感!
レインガーデン
このまちでは、コンクリートや鉄ではなく、土や砂、石、植物など自然の素材をつかったインフラ設備として「グリーンインフラ」を取り込んでいます。雨水を川に流さず土の中に戻す、その仕組みとして、石を敷き詰めた側溝や、水に強い植栽を植え、降った雨を溜め、一定量ずつ浸透させていくレインガーデンを計画しました。
グリーンリビング
居心地の良い環境の中で、緑に囲まれたライフスタイルを体感できるリビングのような空間イメージ。植物園のような楽しいガーデニングショップやインテリアショップ、雑貨店やブックカフェなどが入っています。
ウォーカブル
×ユニバーサル
見どころ02
土地区画整理事業によりひとつの大きな街区に再編成し、駅から商業施設・公園、周辺の住宅市街地まで、歩車分離されたバリアフリーな歩行者ネットワークを巡らせました。誰もが居心地がよく、快適に楽しく歩ける仕掛けもたくさんあります。
南北自由通路
南町田グランベリーパーク駅を南北に貫く、広々とした通路。これも整備と同時にできたもの。かつてはぐるっと遠回りしなければたどり着けなかったエリアを直線的につなぎ、新しい人の流れをつくりました。
グランベリーブリッジ
駅の街区から商業施設・公園の街区までは、約10mの幅のブリッジを架けたことで、車と接することなくフラットに行けるようになりました。また、新たに庇を設けることで雨に濡れないルートを確保しています。駅直結で、誰もが「安全・快適に訪れられるまち」にとことんこだわれるのも東急株式会社ならではです。
キッズディスカバリー
ご家族連れが多いことを踏まえ、お子さまが思いきり楽しめるエリアをつくりました。かわいらしいデザインや素材にこだわっているのはもちろん、周辺のテナントさまにも、お子さま向けのサービスを用意していただいています。
何もかもが小さなサイズのキッズトイレ。お父さんやお母さんが見ていないとできないお子さまのために、壁も低くしてあります。このようにテーマを設けたスペシャルトイレを、パーク内には4か所用意してあります。
ヴィレッジ型の建物群
低層の建物を分節し、建物のボリュームをそれぞれに変えることで、周辺のまち並みとの調和を図りました。1,500台を超える収容台数の巨大な駐車場は敷地中央に配置。その周りを低層の店舗で囲うことで、まちを歩いていても巨大な駐車場の存在を感じさせないように計画しています。
スヌーピーのスタチュー
ここまでにご紹介した写真にも、ちらほら写り込んでいたスヌーピーのスタチュー(彫像)。その数なんと7か所11体! スタチューを巡ると、自然とミュージアムに着く仕掛けになっています。まちとの融合を目指して、スヌーピーの本拠地アメリカまで出張もしました。
ペットトイレ
ペット連れのお客様が多いのもこのまちの特徴。公園でのお散歩はもちろん、商業施設1階の共用エリアでもペットと歩いて回れます。ペット専用のトイレや足洗い場、水飲み場を整備し、ペットマナーの向上を促すことで、ペット連れの方もペットが苦手な方も快適に過ごしていただける環境を目指しました。
まちの歴史がわかるプロジェクトボード。ここではご紹介しきれなかった豆知識もたっぷり掲載されています。読めば、あちこち散策したくなること間違いなし。ぜひこのボードを見つけて、南町田グランベリーパークを楽しみ尽くしてください。
アクティブデザインマップ
さて、公園のあちこちには、このボルダリングウォールを始めとして日常的にエクササイズが楽しめる場所がいくつも用意されています。芝生の広場でヨガをしたり、川を眺めながらジョギングをしたり、人工芝のグラウンドでスポーツをしたり、思い思いにエクササイズが楽しめます。
こちらの地図がその一覧。地域の方々や、まちに訪れる人だれもがスポーツや健康づくりに楽しく取り組めるような仕掛けがたくさん紹介されています。
地域・
官民連携
見どころ03
鉄道事業を基盤とする東急株式会社は、沿線の地域や行政と一体となってまちづくりを行っています。ここ南町田でも、町田市と東急株式会社による「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」を発足。地域の方々も参加できるまちづくりを進めてきました。
鶴間公園
地域の方々と意見を交わして再整備された公園には、子どもの遊び場やイベントが開催できる芝生広場、車いすやベビーカーを押しながらでも通れるバリアフリーの遊歩道、違った速度で歩行・ランニングする人たちが安全に活動できるレーンもあり、様々な人々が楽しみ、活用できる工夫が施されています。
樹林エリアでは増えすぎていた樹木を適切に間伐することで薄暗いイメージを払拭。さらに、ゆったりと腰をかけるベンチや歩きやすい園路、地形を活かしたデッキなどを設け公園としての「質」を向上。遊具も新設され、小さなお子さま連れでも、安心して遊べる公園に生まれ変わっています。
ただ整備するだけではなく、どう使っていただくかの提案も大切。まちびらきの際には公園の「使いぞめ」イベントを開催。地域の方々による出展や、子どもたちによるマラソン大会を行い、約5,000名もの方が訪れました。
こちらも地域の方々と行った植樹祭。植えたのはオオシマザクラ(同じ東京都のサクラ原種)。こうしたイベントの数々を通じて、公園への愛着を醸成していきます。
まちライブラリー
パークライフ・サイトには、「図書館が欲しい」という地域の思いを受けて、「まちライブラリー」もつくられました。本棚や机、椅子は、間伐された公園の木を活用しています。
こちらは「まちライブラリー」のエントランスにある壁面。装飾に使われているウッドブロックは公園の伐採材などから生まれたもの。それを地域の子どもたちの手で、一枚一枚貼り付けています。
パークライフ・サイト
公園と商業施設の間に位置する文化的な活動拠点「パークライフ・サイト」。「スヌーピーミュージアム」を核として、ライブラリーや児童館、ワークショップスペース、カフェなどがあります。公有地を活用して民間の力で生み出した場所であり、官民連携の新しいあり方にチャレンジしています。
地域の方々とともに
みんなとつくる新しいパークライフの実現を目指して、5年以上に渡って地域の方々と対話しながら進められたプロジェクト。写真は、まちびらき前最後に開催した「プロジェクト発表会」。延べ800名以上の方がお越しくださいました。このように、地元の方々と繰り返し検討会や説明会を行い、丁寧に計画を形作っていきました。
こちらは、グランベリーパークの前進となる旧グランベリーモールの最終営業日、2017年2月の様子です。駅から施設の奥まで人で埋め尽くされるほど、地域の方に愛着を持っていただいていました。これからも、将来にわたって地域の方々に親しんでいただけるようなまちに発展させていきます。