東急電鉄

YusukeTsunoda

空港は、地域の翼になれ。

角田 諭亮仙台国際空港株式会社 航空営業部 航空営業グループ チーム長(出向)
2009年新卒入社 スポーツ科学部 卒

  • #挑戦

角田が初めて仙台空港に降り立った時、まわりには何もなかった。かつて建物が並んでいたはずのところは、ほとんど更地になっていた。

赴任先は、東急電鉄を筆頭株主として発足した「仙台国際空港株式会社」。角田も以前から関わっている、国管理空港としては初の民営化プロジェクト。その目的のひとつが、震災からの完全復興だった。けれど、角田は思った。直接の被災者でもない自分が、大きなことを簡単に言ってはいけない。ただ、この景色は忘れずにいよう。

ミッションは航空会社の誘致。仙台空港に離発着する新たな路線を開いてもらい、旅客を増やして地域を盛り上げたい。そのためにまず必要なのが、航空会社にとって魅力的な料金システムだ。けれどそれを編み出すノウハウは、角田にも、東急電鉄にもない。角田をはじめとするチームのメンバーたちは、国内外を問わず民間運営空港の事例をつぶさに調べた。時には、足を運んで教えを乞うた。かき集めたヒントの中から生まれたのが、「空席率が高い場合に、飛行機の着陸料を引き下げる」という国内初の仕組み。「自分たちは新参者だ。新しいことをやろうじゃないか」。そんな想いも込められていた。

だが、いざ航空会社に乗り込んで、角田は冷や汗をかくことになる。会話が噛み合わない。聞いたこともない専門用語が連発され、先方の発言の意図も読めない。少なくとも理解できたのは、苦労の末に生み出した料金システムがそのままでは受け入れられないこと。詰めていかなければならない条件がいくつもあり、それが航空会社によって違う。「まだまだ勉強だな」。けれど、角田の顔は決して暗くなかった。自分たちは、目先だけの仕事をしてるんじゃない。いつか大きな成果につながる一歩をいま、着実に歩んでいる。そう自分に言い聞かせた。

初受注は突然だった。提案を重ねていた航空会社から、不意にもたらされた増便決定の一報。角田は大喜びというよりも「こんなに突然決まるものなのか」と驚かされた。その後、受注の知らせはいくつも舞い込んだ。国内航空会社の路線再開に、海外航空会社の新規就航。契約が決まるたびに、地元紙がそのニュースを大きく取り上げた。民営化にどれほど地域の期待が寄せられていたかを、角田はあらためて実感した。2017年度、仙台空港の旅客数は約343万人。開港以来の最高記録。新たな施設や周辺の交通網もぞくぞくと整備され、にぎわいもはっきりと増してきた。この成功をお手本に、地方空港民営化の動きも日本のあちこちで加速している。

「どうして、東急電鉄が空港をやるんだろう」。
それが不思議だったと、プロジェクトに加わった当初を角田は振り返る。けれど、仙台で奮闘するうちに少しずつわかってきた。徹底的にインフラを支える。そのことで、地域の大きな力になっていく。陸路だろうが空路だろうが、それをやるのが東急電鉄なんだ、と。

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