PROJECT
南町田
グランベリー
パーク
久家 あかねAkane Kuya
沿線開発事業部 開発第二グループ
2014年入社
入社1年目から『南町田グランベリーパーク』の開発に携わる。プロジェクトマネージメント、建築、運営支援と、まちづくりに伴うさまざまなフェーズを担当している。
小川 卓男Takuo Ogawa
株式会社東急モールズデベロップメント(出向)
グランベリーパーク 総支配人
2001年入社
駅ナカ店舗の開発・運営管理、商業施設のリノベーションやマネジメントオフィス勤務などを経て、久家とともに『南町田グランベリーパーク』の開発に関わる。2021年より総支配人。
衣・食・住・職・遊、緑。
そのすべて。
『南町田グランベリーパーク(南町田GP)』とは? その問いに、総支配人の小川はこう答えます。「『衣・食・住・職・遊、緑』のすべてが体験できる街」。約240ものテナントに、映画館やコワーキングスペース、そして公園。都心と役割を分けるのではなく、郊外でありながらすべてを備えた自律型なまち。その価値は、はからずもコロナ禍によって鮮明になりました。「たとえばリモートワークの浸透によって、暮らす場所と働く場所が非常に近くなりました。緑を楽しみながらコワーキングスペースで働き、食事や買い物ができる南町田GPは、そういった社会情勢に寄り添える存在です」。
入社1年目から南町田GPに携わってきた久家も言います。「買い物を楽しむ方や愛犬を散歩させている方、学校帰りの子どもたちが、南町田GPにごく自然に集まり、共存している。ライフスタイルが多様化する中、思い思いの過ごし方ができる場所の価値が高まっています。南町田GPはまさに、地域のあらゆる方々に開かれたまちだといえます」。
開業後1か月の来街者データ
駅名 | 乗り入れ路線 | 対前年増加率 |
---|---|---|
長津田 | JR横浜線 | 299%増 |
中央林間 | 小田急 江ノ島線 |
250%増 |
溝ノ口 | JR南武線 | 252%増 |
渋谷 | JR・京王・ 東京メトロ各線 |
152%増 |
ゆずれなかった、
公園と商業施設の一体再開発。
すべての人に開かれたまち。その考え方を象徴するのが「まちのぜんぶが“パーク”となる」という再開発コンセプト。もともとこの土地には、公園と東急の商業施設が隣り合っていました。それらの資源を最大限に活かすための決断が、一体再開発だったのです。「スピード感だけを考えれば、商業施設の単独再開発のほうがいい。けれど、そのまちの『らしさ』を大切に魅力を引き出し、長期的な活性化を図るという東急の考え方からすれば、一体再開発が最良の選択でした」。
町田市との強力な連携によって進められた再開発ですが、地元の方の理解を得るまでには時間もかかりました。「公園が東急に飲み込まれるのではないか。そう不安がる声も寄せられ、できる限り不安を払拭できるよう何度も意見交換の場を設けました」。町田市と東急が大切にしたのは、地元の方がまちづくりを自分ゴトとして捉えること。たとえば町田市が開催していた市民ワークショップは、指定管理者の主催によって進化し、市民参加型イベント「つるまパーク大作戦」として定着しています。
余白のある、まちづくりを。
6年半にわたって、南町田GPに関わり続けた久家。まちづくりにどのような思いを持っているのでしょうか。「個人的には、そこに住む方々がまちを営んでいくことに強くこだわっています。東急の役割は、まちを自ら運営し続けることではなく、このまちで何かをしてみたいという方を増やしていくことなのではないでしょうか」。
これからのまちづくりに必要なもの。それは「余白」ではないかと小川は言います。「敷地があったら、めいっぱい建物をつくりたくなるのが従来の開発でした。けれど、コロナ禍によって働く場所が小さく分散されていったように、社会環境は急激に変化します。あまりにもつくり込みすぎてしまうと、その変化に対応できない。時代が変われば使い方も変えられるような余地を残しておくことが大切なのだと思います」。2人のこうした考えもまた、時代や人に「開かれた」まちづくりを意味しているのかもしれません。