東急

AkikoOta

東急線沿線に、
ウェルネスという新しいインフラを。

太田 暁子ウェルネス事業推進グループ 事業推進担当 課長補佐
2005年新卒入社 理学研究科 化学専攻 修士課程卒
※所属・業務内容は取材当時のものです。

高齢化と人口減少。

日本全体で起こっていることが、東急線沿線でも起こっている。増加するシニア層と、次代を担う子育て層。その両方が魅力を感じ、暮らしたくなる沿線とは? 「日本一住みたい沿線」を掲げる東急株式会社にとって、かなり重要なテーマだ。

このテーマに、心と身体の健康という切り口から答えを出そうとしているのが「ウェルネス事業推進グループ」だ。2019年の春にできたばかりの新部署。ウェルネスは競争の激しくなりつつある分野だが、グループ内には関連事業をすでに手がける会社もあり、ノウハウは蓄積されている。そういったグループ企業も統括しつつ、既存事業をどう強化するか、新たに何を始めるべきかを模索していくのが太田たちのミッション。

この配属に太田は奮い立った。じつは太田は、4世代にわたって東急線沿線で暮らす一家の生まれだ。物心ついた時から、乗る電車も、買い物する店も、通うプールも東急グループのもの。自身の結婚を機に一度は引っ越したものの、その暮らし心地が恋しくなって家族そろって戻ってきたほどである。そんな愛着たっぷりの沿線に、自分の手で新しい魅力を生み出す喜び。ただしプレッシャーも大きい。ミスをすれば沿線の価値を落としてしまうのもまた、自分。

「……で、何をすればいいんだろう」。スタートはそこからだった。ウェルネス、という大きくて漠然としたテーマはあるものの、具体的に何をするかはまったく決まっていない。「自分たちで考えてみなさい」とボールを投げられたのだ。だが、太田は新規事業を立ち上げたことがなく、ウェルネス分野も初体験。ほかのメンバーもほぼ全員が同じような状況。その中で方向性を定め、計画を固めていかなければならない。経営層を始め、関係者の多さも悩みのタネだった。ウェルネスは非常に幅が広い概念だ。だからこそ、一人ひとり思うところが違う。立場によっても、新規事業に求めることが変わる。果たして、全員がうなずくような方向性を打ち出せるだろうか。苦しい。でも面白い。これこそが東急株式会社らしさだと太田は感じた。上からミッションが降ってくるのを待つのではなく、自分から動く。すると、手応えたっぷりの挑戦を味わえる。

太田たちはまず、基本戦略を固めるためにチーム内で徹底的な議論を重ねた。ここが曖昧なままだと、先々の行動がブレやすくなる。カギとなるのはやはり、シニア世代と子育て世代だ。「シニア層の健康寿命延伸」「減少していく子育て層の定着と新規流入」。このふたつを戦略の中心に据え、社内の合意を得る。さらにその戦略を、グループ各社とともにサービスへと落とし込んでいく。

たとえば、株式会社東急キッズベースキャンプが運営する「KBCほいくえん南町田」では、体調不良時型保育の試験運用が始まった。また、イッツ・コミュニケーションズ株式会社のテレビサービスを活用し、自宅にいながら診断・処方箋発行・薬の宅配までをワンストップで受けられるサービスも実証実験へ。さらに、自治体などと連携し、健康診断をフックにした健康維持・改善プログラムを沿線住民へ提供することも検討中。水面下で進んでいるものも含め、部署の設立からわずか半年あまりでさまざまな取り組みが動き出している。

だが、これはあくまでも始まりにすぎない。実験や検討の結果から可能性を見きわめ、サービスの完成度をシビアに上げていかなければならない。その段階を生き残ったサービスが実際に提供され、揺るぎない「数字」として結果が出ること。たとえば、「東急線沿線はほかの沿線よりも健康寿命が長い」「検診の受診率が高い」「子育て層の流入が増えている」などが、はっきり立証されることこそゴールだと太田は考えている。東急株式会社が沿線で支えてきたさまざまなインフラに、新しく「ウェルネス」が加わる。そのために、太田の挑戦はつづく。

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